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平成29年度入試学力検査問題[平成29年3月8日17時以降に掲載予定]

平成29年度 高校入試
英語・理科で苦戦する生徒が多く見られました。英語は、苦手な生徒にとっては得点源である「並びかえ英作文」が難しかったこと、対話文中の英作文が作りにくかったこと、最後の長文が読み取りにくいものであったことなどから、平均点は確実に下がります。理科も計算を要する問題が多く、選択問題も、その選択の根拠を記述させる問題と組み合わされて完答の形式をとっていることなど、難易度は上がっています。受験生全体の平均点も下がり、合格のボーダーラインは、20点前後下がりそうです。
【国 語】
昨年と同様に大問1は聞き取り、大問2は漢字の問題となっており、配点や問題数は変化ありませんでした。ただ、聞き取りの問題では従来と異なり、複数の人物による対話形式だったところで、戸惑いを覚えた受験生が多くいたのではないでしょうか。聞き取り問題は放送内容と資料を照らし合わせて要点となり得る事柄を的確にメモすることが重要です。
大問3は、昨年は漢文でしたが、今年は古文『梁塵秘抄』から出題されました。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて流行した「今様」という歌謡を後世に伝えるために後白河上皇が書き残した、という内容のものでした。歴史的かなづかいを現代かなづかいに変換する問題はもはや定番となっていますので、必ずマスターしておくべきです。古文に添えられた解説文をもとにして本文内容をまとめた空所に入る言葉を考える問題は、作者がどのような思いでその文章を書いたのかを読み取る必要があり、やや難しかったかと思われます。
大問4は、魚住直子『園芸少年』からの出題でした。全体を通して「おれ」の視点で物語が展開されており、花に対する気持ちや花の世話を怠る花屋への思いをどれだけ読み取れるかがポイントです。比較的読みやすい内容のため、決して難度は高くありませんが、記述形式の問題で時間をかけすぎないよう注意したいところです。
大問5は、高階秀爾『実体の美と状況の美』からの出題でした。日本人とアメリカ人との美意識の違いを述べたものでした。文法の問題として、「れ」の識別(自発の助動詞・受け身の助動詞・動詞の一部)が出題されました。塾の授業の中でも扱った内容でしたので、復習している人は自信を持って答えられたのではないでしょうか。難しかったところは、題名にある『実体の美』と『状況の美』を比較し、『状況の美』の日本人の捉え方を「実態物」「状況」の二語を含めて50字以内でまとめる問題です。字数も多く、時間もかかる内容のため、多くの受験生が苦戦したと思われます。
最後の大問6は例年通り作文問題でした。「にやける」と「煮詰まる」の意味の捉え方を年代別に調査した結果をまとめた資料を見て気づいたこととそれをふまえた自分の意見を150字以上200字以内でまとめるもので、こちらも塾での授業やテストで扱った形式でした。
大問3が昨年の漢文から古文に変わったこと以外は、問題数、配点、出題形式ともに昨年と変化はありませんでした。記述形式の問題ではやや時間がかかる上に難度も高めですから、この部分をどれだけ速く正確に解くか、あるいは早めに見切りをつけて後回しにする決断をするかが明暗を分けそうです。

阿部

【英 語】


英語・全訳付き解説
大問1のリスニングは前年から変更した形式を踏襲しています。(1)の問題は絵と日本語のメッセージの中から選ぶ問題が3問中1問でした。これは例年から1題少なくなりました。ウのジム、けいこ、あきらの誕生月を答える問題はメモをとる必要がありますね。(2)は、選択肢に注目して、あらかじめ必要なことをメモできたでしょうか。放送された英文が昨年の88語から今年は83語に若干減りましたが、内容はほぼ例年並です。期間やいきたい理由などの要点はメモできたでしょうか。(3)の対話文では、二人の対話文の後で次にどんな会話が続くか選ぶ問題でした。問題文が「ジェーン、あなたは私たちと一緒に来たいですか。」に対し、アのYesで始まる解答は時制が違うので、エの「その通りです」を選ばなければなりません。少し難易度は上がっています。(4)は前年度からの新しい問題でした。スミス先生が「私は白が好きです。そして、私は緑が好きです。あなたのお気に入りの色は何ですか。」というbe動詞の質問に答える問題でした。「それは~です。」とbe動詞を使って答えます。
大問2の(1)は並べ替え英作文です。アは「try+to+原形」の文の形を使います。接続詞Thatが省略された文に気づいたでしょうか。 イはToに続く動詞の原形で始める名詞的用法の不定詞を主語にする問題でした。少し難しいと感じた生徒もいると思います。ウ接続詞afterの後に主語、動詞、動名詞が来ます。(2)の適語補充は「もし、雨なら」は「If it is rainy,」とするところを「rain」とする間違いが多いと思われます。(3)の自由英作文は例年通り15語以上の条件でした。「あなたはグループAとグループBのどちらに参加するつもりですか」とポスターの内容から、理由も含めて答える問題でした。まず、平易な日本語で書こうとする内容を考えることができれば表現できる内容でした。
大問3は、ミキとべスの2人の電子メールの対話文です。3つの英作文と2つの適文補充で、前年度と同じでした。前後の文から会話が成立する文を探す問題です。(1)のアでは、直後の文でYesのあと「はい、私もそれを終えました。」とありますから、これが答えとなるような過去形の疑問文を作ります。イの直後で「あなたは彼らを国技館に連れて行ったほうがいいです。」と場所を答えていますから、動詞に注意してこの文が答えになるような疑問文を作ります。ウでは直前の文で「そこの近くにはたくさんの和食のお店があります」とあり、「だから」の接続語に続けて関連した「あなた方は和食を食べることができます」のような英文を入れます。(2)のAは直前で「ところで」と話題が変わり、直後でYes.に続いて家族の予定が述べられているので6の「何か私に伝えたいことはありますか」を選びます。Bは直前で「あなた方はそこでたくさんの種類の文房具を見ることができ、」に続きandが続くので5の「あなたはよい経験をすることもできます。」となります。
大問4は、サキが英語の授業で、「自分があこがれている人物」というテーマで行ったスピーチの内容についてでした。語数は昨年の212語から209語とほぼ同じボリュームでした。形式は(1)が去年と同じ、要約文に適語を入れる問題でした。(2)の疑問文中の主語や動詞の種類に注意し、疑問詞に対する答えを探して英文を作る必要があります。(3)の最初の英作文は「数か月間会っていない」で「現在完了形の否定文」や「楽しみにしている」の「look forward to 動名詞」を使う英作文、2つ目は「give+人+もの」の目的語を2つ取る文の形になります。
大問5は、去年と比べ長文の語数が389語から417語に増えました。ケン、タカシ、エイミーが学級活動の時間に学んだ、「世界睡眠の日」についての文章です。形式は昨年とほぼ同じでした。 (1)の英文を完成する問題は、選択肢の話題が本文中のどこの段落であるか探し、そこから詳しく前後の内容を調べます。(2)の要約文完成の適語補充の問題は、本文中からの単語の抜き出しではなく、本文中の対応する部分を見つけ、「どんな語」に置きかえることができるか考える必要があります。
出題形式、問題量とも若干の増減はありました。英作文、長文が例年より難易度が高いので、平均点は若干下がると思います。  


蝦名


【数 学】 

今年の数学は,前年と同じく関数の利用が2題大問で出題されました。新傾向問題もありましたが,全体的な難易度はやや易しくなり,平均点は若干上がると思います。進学校志望の生徒は,例年くらいの点数をとりたいところです。数学の苦手な生徒にとっては解きづらい問題が多かったです。
  1. 解き方1
  2. 解き方2
  3. 解き方3
大問1の小問集は(1)のエの展開とオの平方根の途中計算の量が若干多めでしたが,その他は基本問題ばかりでしたので,丁寧に解いて全問正解を目指したいところです。配点は例年通り43点でした。
大問2はヒストグラムの読み取りと郵便物の料金表を用いた連立方程式の利用問題でした。(1)ヒストグラムの読み取りは基本的なものでしたが「適切でないもの」を選ぶことに注意が必要です。(2)の連立方程式の利用は,料金表の見方がきちんとできればよいですが,「定形郵便物」と「定形外郵便物」の見間違いや,「45gのものは50g以内,75gのものは100g以内の料金を見る」ことがわかれば,比較的に式もつくりやすく解きやすい問題となっています。
大問3の図形は,(1)の相似証明は穴埋めで易しく,長さを求める問題も,証明した2つの三角形を用いて1本の式で求められるので易しかったです。(2)では,ア:正四角錐のある1辺のねじれの位置,イ:三平方の定理を用いて高さを求める,エ:糸引き問題は教科書の解法で解けますが,ウ:正四角錐を回転させたときの立体の体積,はこれまでにない新傾向問題でした。△OAHの回転体とイメージできなければ解きづらかったと思います。
大問4は動く図形(直角二等辺三角形)の重なる部分の面積についての関数の利用の問題でした。開始点と1秒毎の図をかくと容易に解けます。(2)の半分に縮小された三角形の場合も,5秒から10秒間の面積が変わらないことから①が選べます。
大問5は関数の規則性の問題は,新入生説明会の入学予定者実働時間と待ち時間の両方を考える問題でした。(1)のア,イまではきちんと数えて出し,ウ,エは規則を用いて解きたいところです。ウは頑張って数えても解けます。(2)は表を書いて各項目における式を使って効率よく解きたいです。苦手な人にはとことん解きにくい問題でした。

佐々木

【社 会】
例年通り、大問が7題の構成になっています。大問1が世界地理、大問2が日本地理、大問3が江戸時代までの歴史、大問4が明治以降の問題、大問5が政治中心の問題、大問6が経済中心の問題、大問7が融合問題になっているのも例年通りです。それぞれの問題も、学校でやってきた定期試験や模擬試験の内容を大きく離れるような問題も少なかったので、生徒の実力通りの点数になると予想され、平均点は高めになると思われます。
<<地理>>
大問1 (1)赤道の位置が略地図にかかれていますので、それも参考にして、2の答えをだしましょう。(3)アメリカの人口が約3億人なので、1がアメリカ。カナダは北に位置しているので人口が少ないと判断して、2がカナダ。3、4の選択肢のうち、国民総所得が多い3が日本、少ない4がメキシコ。(4)イ.アメリカの西側にロッキー山脈があるので、X側に大きいdが正解になる。(2)のハリケーン、(4)エ.のセンターピボット方式の記述など、あまり普段のテストでも見られないような問題もあった。
大問2 (1)エ.京葉工業地域は石油化学コンビナートがあるのが特徴なので2が答えになる。1は「パネルベイ」から阪神工業地帯、3は北九州工業地帯、4は北海道の説明になる。(2)千葉県のキャベツの生産量は144.3万トン×8.9%=約12.8万トンなので1は誤りの文。関東地方は茨城(25.3%)と群馬(3.2%)なので、合計しても50%なので2は誤りの文。茨城県のキャベツの生産量は144.3万トン×6.5%=約9.4万トン、ねぎの生産量は48.1万トン×9.7%=約4.7万トンなので、きゅうりのほうが高くなっているので3が正解。埼玉県の全体にしめるきゅうりの割合は8.3%、ねぎの割合は12.4%。きゅうりのほうが低いので誤りの文。
<<歴史>>
大問3 資料が4つ挙げられ、問題が構成されているのはよく見る形です。資料ごとに時代が明記されているので、資料を読み取るのも簡単になっているようです。(3)1.富本銭は奈良時代の前から使われていたと考えられています。室町時代には中国のお金の明銭が使われています。2.「打ちこわし」は江戸時代の用語。3.「土倉・酒屋」、「座」は室町時代を表す用語。4.「本百姓」、「水のみ百姓」は江戸時代の用語。(4)イ.大政奉還を行ったのは15代将軍徳川吉宗。(5)資料2は運慶が制作した金剛力士像。鎌倉時代を代表する作品。
大問4 年表を使って時代順に出題されているので、大問3と同様、例年よりは答えやすいと思います。(3)4.太陽暦は明治時代なってときに採用された。(4)世界恐慌が起きたときでも、ソ連は5か年計画を進めていたために不況の影響を受けることなく成長を続けることができた。(5)ウ.日独伊三国同盟(1940年)→ア.日ソ中立条約(1941年)→エ.ミッドウェー海戦(1942年)→イ.原子爆弾の投下(1945年)
<<公民>>
大問5 (1)憲法改正までの流れは、両議院で総議員の3分の2以上の賛成→国民投票で有効投票の過半数の賛成になる。(4)刑事裁判の第1審だけで行われる裁判員制度では、裁判員は審理・評議・判決を行う。
大問6 (3)1ドル100円が80円になることは円高、7200÷80=90ドルになる。1ドル100円が120円になることは円安、7200÷120=60ドルになる。大問5、6とも基本の問題が中心になっていて、新傾向の問題もなかったようです。記述も、使用する用語が与えられているので、正解が出せなくても部分点が取れる記述が書けると思います。
<<融合>>
大問7 融合問題になっていますが、問題1つ1つは易しめの問題構成のようです。(1)2.ピアノや二輪車の生産が発達したのは、静岡県浜松市の説明。(2)夜間に照明を当てて栽培する目的は、野菜の促成栽培、抑制栽培と同じように、出荷時期をずらして高い価格で売るため。(4)イ.伊能忠敬は全国を周り、地図を作成した人物。葛飾北斎は「富嶽三十六景」、喜多川歌麿は人物画を描いた。
猪股

 
 
【理 科】

大問1は2分野(生物・地学領域)小問集合,大問2は1分野(化学・物理領域)小問集合,大問3~6はそれぞれ生物・化学・物理・地学の大問,大問7は融合問題と,例年通りの設問構成であった。大問7の融合問題が2分野のみからの出題であったため,大問1の配点が減少し,大問2の配点が増加した。出題傾向は例年通りで,昨年に引き続き表やグラフの読み取り,計算を要求される問題が多く,解きづらいと感じる受験生も多かったと思われる。難易度は昨年並みで,例年より難しい。 大問1の2分野小問集合は,(1)が刺激と反応,(2)が太陽の日周運動に関する出題であった。(1)は基本的な内容で,高校入試頻出の問題である(H20年度青森県など)。(2)は南中高度の図解,日の出時刻の計算でやや難しい。
大問2の1分野小問集合は表・グラフの読み取りや計算が中心の問題構成であった。(1)はフックの法則と浮力の計算,(2)は表の読み取り,(3)は中和とイオンの計算,(4)は中和と塩の計算と,いずれも応用力が求められる。計算の難度はそれほど高くないので,現象を正しく理解できることが重要である。
大問3は中3生物領域から生殖と遺伝に関する出題であった。(1)~(3)は生殖に関する基本的な設問で,解きやすい。(4)は遺伝の規則性に関する設問で,「純系」や「自家受粉」などの語句の理解,メンデルの遺伝の法則を前提とした応用問題である。推論をしながら計算も求められる難問である。
大問4は中2化学領域から酸化と還元に関する出題であった。(1),(2)アイは頻出の設問で,十分に対策をとった受検生には解きやすかったと思われる。(2)ウ,(3)②は化学変化と物質の質量の比を利用した計算問題である。過程が複雑で,本試験で最も難度が高いと思われる。
大問5は中3物理領域から物体の運動に関する出題であった。いずれも作図,計算,表・グラフの読みかきとバラエティに富んだ設問であったが,入試頻出の内容である。十分に対策をとった受検生には解きやすかったと思われる。
大問6は中1地学領域から火山と火成岩に関する出題であった。写真から岩石の種類を判断し,それを応用させる設問は目新しい。内容は基本的なものが多いので,岩石の分類ができるかがポイントとなる。
大問7は植物の蒸散と空気中の水蒸気に関する出題であった。(1)アの蒸散量の計算,イの考察ともに表の読み取りが必要で,やや難しい。(2)は図,グラフの読み取りで,アは文章と合わせた読解,イは文章による表現力が求められ,難問である。
木村